ここ数年、大雨による冠水車の被害が全国で起きています。

パート1パート2に引き続き、
平成25年9月3日4日に起きた名古屋豪雨による水害車の修理・診断を一部ご紹介させていただきます。
水害被害に起きたときの参考にしていただけましたら幸いです。


車は、BMW320i(GH-AV22「車両保険65万」)です。

お客様のお話では、カーペットが少し濡れただけなので大丈夫だと思いそのままにしておいたそうです。
そしたら、少しして車内が臭くなったということで、車内クリーニングの依頼です。



点検すると、
カーペットは乾いているところと、湿気ったところがあり、
車内は、水害車独特の嫌な臭いが出始めています。

水位はお客様のいわれる通り、フロアーカーペットあたりまでだと思います。

ただ、車がBMWなだけに、
(65万円かぁ。)全損になる可能性があるなぁ。
そんなことが頭を過ります。

そこで、お客様の要望を確認します。
・全損にして、65万円を頭金にして車を買い替えるか?(全損になると、車は保険会社が引き上げます)
・65万円までの範囲で出来る限り修理して乗るか?

お客様の気持ちは、
「大切にしている車なので修理して乗りたい」とのこと。

翌日、保険会社の損害査定員(アジャスター)が車を見に来ました。
査定員は、やはり “全損” という見解でした。
査定員にお客様の要望をお話しし、今回は、分損扱いにしてもらって、
修理させていただくことになりました。
(水位がシートまで来ていたら、分損扱いにはせず全損になったとお思います)

 

さて、カーペットまでの水位だから、クリーニングだけで直るんじゃないの?と思われる方も見えるでしょう。
確かにそうなんですが、車にもよるんです。

これを見てください。



これはBMWのフロアーカーペットです。
カーペットの裏には、



これだけ分厚いクッション材が付いています。

このクッション材に水が吸い込まれると、
洗浄して乾燥させるだけで数週間かかります。

クッション材の乾燥に時間がかかると、匂い菌が出て、
後から嫌なにおいが発することがあります。
だから、これだけ分厚いフロアーカーペットは、水を含んだら交換したほうが良いんです。

さらに、このフロアーカーペットは、
ダッシュの奥までひいてあります。

だから、



ダッシュやエアコンユニットを下して、ここまで分解しないと外れないんです。

さらに、さらに、



フロアーカーペットの下には、センサーが付いていることがあります。
このセンサーはエアーバックセンサーです。
水に浸かったため、もしかすると、中でショートし、
イザ!というときにエアーバックが開かない!そんなことがあるとも限りません。
だから、こうしたセンサーは交換する必要があるんです。


フロアーカーペットが少し水に濡れたぐらいは大丈夫だと思いますが、 
数十分も水に浸かったような場合は、やはり安全のため、
最寄りの修理工場で見ていただくと良いと思います。

 

水害被害にあったらお気軽にお問い合わせください。
(相談だけでも受け付けます)
   052-902-3167    

車の冠水修理について詳しくはこちら!!


<冠水修理>
パート1(BMWミニ)
パート2(ボルボV70)
パート3(BMW320i)
パート4(スイフト)
パート5(ムーブ)
パート6(ノート)